続・そこものがかり

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新種苗「交雑」とな

> 愛知県 アユ新種苗「交雑」デビュー
中日スポーツ2013年4月25日16面)

確認しました。(そうか、これがステルスマーケティングというry

確認したら、いろいろなことを知った。
・交雑させた種苗は愛知県栽培漁業センターが生産している。
  →「遺伝的多様性」って言葉を使っているんだが、ちょっとミスリードされる危険がある気がする。
   豊川産の継代飼育した個体と矢作川産を交雑させて、それをすなわち「種内の多様性が増える」ことといえるかというと違うからね。この記事もそうは書いてないんだけど。
   せっかく生物学辞典引っ張りだしてきたから見てみるよ。生物多様性条約で種内の多様性といってるのは、「同種の個体間あるいは個体群間にさまざまな形質の違いがみられる」ことだと書いてあるな。

・『雑種強勢』はいま初めて聞いたな。オレが水産業の人間じゃないからかな。『近交弱勢』はいろんな本にのってるけど。
  →生物学辞典にはあるね。雑種強勢 heterosis

・ちなみに、矢作川は天然と九州・鶴田ダム湖産を使う予定だそう。

あと、「追いのよさ」に期待してるあたり、この人たちは行動が遺伝するという立場でおとりアユを考えていることもわかる。じつに興味深い。

参考文献:
巌佐庸・倉谷滋・斎藤成也・塚谷裕一 編. 2013. 岩波生物学辞典 第5版. 岩波書店