続・そこものがかり

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【book】「自然はそんなにヤワじゃない」

花里孝幸. 2009. 新潮選書 自然はそんなにヤワじゃない -誤解だらけの生態系. 株式会社新潮社, 東京.
 どうでもいいんだけど、我のiBookでは最初「ゴカイだらけの生態系」って変換された。けっこういやかも。

 ミジンコ寄りの視点から生態系と人間との係わり方を書いてくれているので、そうだったのかと気づかされる点も多いです。だけど、人間って「崖っぷち犬」とか「タマちゃんを想」ってみたりとかけっこう妙な行動に出ることがあるんだけど、でもなんかこの本では、いっしょくたにしてはいかんものをいっしょくたに扱っているような気がする。上手に説明できんけど。
 「雑草という名の植物はありません」っていうのも、日本へ入ったシロツメクサアメリカ合衆国に入ったクズの話しをするときに持ち出す言葉じゃあないと思うのだが。
 あと、水田や里山の管理にもふれてあるが、水田では「ただの虫」というのも近年着目されてきているので、「虫けら」としていちがいに無視されてしまうことにはならないのではないかと。水田や里山生態学的見地から賢く利用しようとする動きはけっこう見られるので、期待している。
 個人的には、人間をとりまく自然がもっと奥行きのあるものであってくれれば(結局それは、地球にかなりのキャパシティを期待してしまうことになるが)、人間が利用する自然と手付かずの自然と両方残したいものだなあと。(←詠嘆)