続・そこものがかり

Yahoo!ブログより移行。

「機動戦士ガンダムUC」

http://www.gundam-unicorn.net/

 アニメ化まで待ちきれないので、先行発売
の小説を買ってしまっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A9%9F%E5%8B%95%E6%88%A6%E5%A3%AB%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0UC(参照 2009-06-17)
> 小説作品であるにもかかわらず、コミック
 ス流通で単行本が刊行されている。
 実際、書店ではコミックスの棚に置いてある。探すときちょっと困る。
 
 小説版はついに今月号で最終回。
 機動戦士ガンダムUCは、おっさんホイホイともいわれている。プルトゥエルブがいる。デラーズ艦隊もいたことになっている。評価が分かれそうなΖΖも逆シャアも有りの世界。
 以前のガンダムへのオマージュ的な部分が、たくさんある。シャアみたいな人もいるし。
> 《ユニコーンガンダム》は、伊達じゃな
 い……!
は、さすがにやり過ぎと思う。

 しかし、それよりも、物語の重要なテーマとなっている部分で、旧作の精神を受け継いでいる。ガンダムΖΖの重要なシーンで、Ζガンダムの音楽がかかっている感じと近いかもしれない。
 いわゆる「宇宙世紀ガンダム」は、そもそも人口増加に伴う地球の環境悪化から出てきた問題、というところがある。善と悪の戦いという図式になってないところが、歴代主人公の葛藤の物語を味わい深いものにしている。本来、ガンプラ売りたいための番組なら、ここまでやる必要があったのかと。
 過ちを繰り返してきたのは、ジオンだけでも地球連邦だけでもない。現実の人類をとりまく問題と同様、そう単純に割り切れない。

> みんなが平等に束ねられたわけじゃない。
 まさしく「悪しきグローバリゼイション」だな。そして、

> こんな人間の死は認められない
 現実の世界でも、例えば9.11の同時多発テロで多くの人間が理不尽な死を強制されている。こういう人類の少し先の姿として、モビルスーツ戦に巻き込まれて無数の人が尊厳もへったくれも無く死んでいく場面というのが奇妙なリアリティーをもって迫ってくる。

> でも、わからないからって……哀しいこと
 が多すぎるからって……。感じる心を、止
 めてしまってはだめなんだ
 戸惑いを隠さずに、でもそうやって言い続けて世界に希望を見いだそうとしているバナージと、たくさんの人々の意思を受けて《ユニコーンガンダム》は動いている。主人公機ともあろうものがネオ・ジオン側へ行ったり来たりたいへんめまぐるしく動くのも、話をますます複雑にしている。

 キーワードとして、「光」というのが度々出てくる。人々の善意が点し続けていく可能性の光。それで思い出したのが、省エネルギーのためのライトダウンっていうやつ。人々の思いと行いで、近年明るすぎると評判の都市部の灯りが消えてたら、きっと宇宙から見ても目立つと思う。すごいと思う。
 一人のニュータイプ、一機のモビルスーツで世界はやはり変わらないけれど、人が生きていくということはたくさんの人の心に影響を与え続けている。それが一見代わり映えのしない愚行の繰り返しのような人類の歴史にも、よい方向へと進んでいく可能性を示していると思う。

 余談であるが、今朝の朝日新聞のタイトル下の広告にもUcと書いてあった。これはわざとではないか、と私は疑っている。